Twitterによるネットコミュニティの変質について。あと、はたらきたくないでござる

これまでのインターネットって、基本的に、自分が登録したブラウザのお気に入りを適当に巡回していくようなスタイルだったじゃないですか。ニュースサイトやRSSの存在がある程度潤滑油の役割を果たしてはいたかもしれないけれど、新たにおもしろいサイトを知るためにはある程度能動的に情報を仕入れる必要があったし、自分の所属する情報クラスタのようなものは固定的だった。

そしておもしろい人や才能を持った人ってのは、オンライン・オフライン問わずに当時もたくさん居ただろうけど、小規模コミュニティにそれぞれ定住しているような感じだったと思います。分かってくれる人や身内だけに見せて、ウケたらそれでまあ満足、みたいな。

でも、RSSソーシャルブックマークの次にTwitterTumblrが出てきた。これは陳腐な表現だけれど、テクノロジーの進歩とインターネットの一般化によって、もはや誰もが簡単に世界へ情報発信できる世の中になった。こいつらって情報がねずみ算式に広がっていくから、おもしろいことやってる人とか、おもしろい発言だとかがとても注目されやすくなった。

そうなってくると、おもしろいことを人に見せておもしろがってもらいたい人たちは、どんどん外に出ていっちゃいますよね。ニコ動に自分のボカロ音楽をアップしたりとか、Pixivに絵を投稿したりとか、Ustreamでライブやって曲を買ってもらったりとか。アプリのソースコードだって、githubで簡単に共有できるし。そして、TwitterTumblrがうまい具合にこれらのWebサービスのハブになっていて、沢山ある中から特におもしろいやつをピックアップして、横断的にどんどん広めてくれる。Twitterで1000人単位のフォローしてると、その中には当然いろんなコミュニティに属しているいろんな人がいて、それぞれの情報を流してくれるから、情報は偏りづらいです。こういう世の中の流れって、すごく歓迎すべきことだと思います。

集団に所属してその集団の人達と時間を共有するうちに、自分の考え方も自然と影響を受けてくるのですが、集団の内部にいると自分の変化に案外気付かないものです。これが結構怖いことで、多くの人はふと気がつけば良くも悪くもその集団/組織の価値観に染まっているわけですね。どんなに多様な人を集めたり、色々な活動をしている組織であっても、組織である以上ある程度視野は狭くならざるをえないと僕は思っています。


これから大学に入学する新入生のために - インテリすもうとりあるいは童貞研究家

ここまで書いて、このエントリを思いだしました。Twitterやニコ生、Ustに企業が徐々に乗り出してきてますし、インターネットの世界でのこの変化が、実社会にも波及して、今後ライフスタイルの変化を呼ぶのではないかと思ってます。ベーシック・インカムの議論なんかもそうですけど、例えば一般の会社員が複数の勤務先で働くのが普通になったり、サラリーマンとしての勤務は週2〜3日で残りは何か絵なり文章なりアプリ開発なりのクリエイティブな活動をし、ユーザーから直接お金をもらう、みたいな生き方を選べる世の中にならないかなあ、と夢想してます。コンテンツ業界におけるCtoC課金のビジネスモデルが整うのもそう遠くないと思ってます。

1990年代半ば、Microsoftは Encartaという百科事典を作り始めました。適切なインセンティブを設定しました。何千という専門家にお金を払って記事を書いてもらいました。たっぷり報酬をもらっているマネージャが全体を監督し、予算と納期の中で出来上がるようにしました。何年か後に、別な百科事典が開始されました。別なモデルを採っていました。楽しみでやる、1セント、1ユーロ、1円たりとも支払われません。みんな好きだからやるのです。


ほんの10年前に、経済学者のところへ行ってこう聞いたとします。「ねえ、百科事典を作る2つのモデルを考えたんだけど、対決したらどっちが勝つと思います?」 10年前、この地球上のまともな経済学者で、Wikipediaのモデルが勝つという人は 1人もいなかったでしょう。


これは2つのアプローチの大きな対決なのです。モチベーションにおけるアリ vs フレージャー戦です。伝説のマニラ決戦です。内的な動機付け vs 外的な動機付け。自主性・成長・目的 vs アメとムチ。そしてどちらが勝つのでしょう? 内的な動機付け、自主性・成長・目的がノックアウト勝利します。まとめましょう。


やる気に関する驚きの科学 (TED Talks) - TED

内的な動機付けによってしかおもしろいものや革新的なものは産まれ得ないので、おもしろい人たちや才能を持った人たちにそういう時間を十分に与えてあげて、世界をもっともっと便利で面白くしていけるように早くなりませんかねえ。

AS3でタイプライター風の表現をしたいとき

こんなふうに1文字ずつカタカタとディレイかけながら表示するやつを作ってたんだけど、意外と悩んだ…。最初ググって探してて、flash用のソースを公開してくれてる方は見つけたんだけど、flexとかでもっと汎用的に使いたかったので結局自分で書いた。書いてて「やべえ!無名関数使うならまさにこういう時じゃん!」と思って興奮した。これはありがたい…。

import flash.events.TimerEvent;
import flash.utils.Timer;

public function onButtonClick():void
{
	var _interval:int = 100;
	var _i:int = 0;
	msg1.text = "";
	var timer:Timer = new Timer(_interval, msg2.text.length);
	var type:Function = function (evt:TimerEvent):void {
		msg1.text = msg1.text + msg2.text.substr(_i, 1);
		_i++;
	}
	timer.addEventListener(TimerEvent.TIMER, type);
	timer.start();
}

Hatena_lightなんとかを少しいじった

Hatena_light-greenのテーマもそろそろ見飽きてきたし、どうしても人とかぶるので、CSSいじってみた。今のちょっと喪に服したい気分がよく表現されてます。あと、.section imgにborder付けるとちょっと見栄えが良くなるのでオススメ。

以下、詳細デザイン設定スタイルシートに追加した記述。

body {
  background: #000;
}

a {
  color: #000;
}

#simple-header {
  background: #000;
}

.day h2 {
  background: #000;
}

.hatena-module {
  border-color: #000;
}

.hatena-module .hatena-moduletitle {
  background: #000;
  color: #fff;
}

.hatena-module .hatena-moduletitle {
  border-bottom-color: #000;
}

.hatena-module .hatena-moduletitle a{
  color: #fff;
}

.hatena-module .hatena-modulebody {
  background: #fff;
}

.body h3.title {
  border-left-color: #000;
}

.comment .caption, .refererlist .caption {
  background: #FFF;
  border: 1px solid #000;
}

.body pre.syntax-highlight {
  background: #FFF;
  border: 1px solid #000;
}

/* 記事本文の画像 */
.section img {
border: 1px solid #000;
}

.section img .r-pad20 {
padding: 200px;
}

Yahoo!オークションのおそるべきユーザビリティ欠如について

俺、Yahoo!Japanの大ファンなので、ブラウザのHOMEは当然yahoo.co.jpで、ニューストピックスは5分おきに手動更新してチェックしてるぐらいだし、検索するときはまずYahooでGoogleを検索してそこから改めて検索してるほどなんだけど、ていうかそれはぜんぶ嘘なんだけれど、唯一、ヤフオクだけは年に数回必要に迫られて利用することがあるんです。こないだ久しぶりに使ったんだけど、ヤフオクのこのバッドノウハウの溢れっぷりというか反面教師っぷりについては学ぶべき点が多くあると思ったので、ちょっと考察してみました。



落札者から見た、落札後の商品ページの全体です。すげえ縦長。ちなみに、落札履歴からりぜるまいん裸エプロンフィギュア等を落札していることがバレてしまうことについてはいち社会人として流石に抵抗があるので、そういう事実が決してバレることのないよう、個人のアカウント名などは適宜修正しています。



上の全体画像の、先頭部分だけ切り出した画像です。

まずこの、ユーザーがついさっきまで見ていたであろう商品情報を商品ページからいきなり隠してしまうという暴挙がひどい。何円で落札したのかとか、落札までどのように競りが行われたのかとか、この商品どんなのだっけとか、落札後だって確認したいことはたくさんあるのに、下のほうまでスクロールして「商品の情報」タブをクリックしないと確認できません。落札価格だけは少し下の「出品者情報」で確認できるけど、レイアウトや色使いのせいで全然目立たないし、こんな位置に中途半端な情報を載せておく意味が分からない。

で、ステップ1が具体的に何をすべきか分かりづらい。本来商品情報のあるべき位置でこれだけの領域を占有しておきながら、内容もレイアウトもスカスカで、大した情報を伝えていない。「出品者情報を確認し、取引ナビで出品者に連絡しましょう」といきなり言われても、何を確認して何を連絡すればいいのか分からない。その下に「出品者には自己紹介をし、いつごろ入金できるかを連絡しましょう」等と書かれているので、少なくとも「連絡しましょう」で連絡すべきなのは「自己紹介」と「いつごろ入金できるか」と「支払方法・配送方法についての希望」であるらしいことが分かるけど、同じレベルの箇条書きで2度「連絡しましょう」と書くのはどうかと思う。詳細なやり取りの方法は他のヘルプページに載ってるのかもしれないけれど、なるべくこのページで説明を完結させておくべきだし、こういう文章表現一つ取ってみても全然練りこまれていないことが分かる。ここの文言や次のステップへの誘導の仕方って、ユーザーにとってかなり重要な役割を担っているはず。

ステップ2について。落札者がここで一番知りたいのは次にすべき事と次に進むべき画面へのリンクなのだから、数日後に行うことになる評価をこの時点で促す意味が果たしてあるのだろうか。評価自体は強制ではなくあくまでYahooがユーザーにお願いしていることなのに、あたかも義務のように書いているのも気になる。

また、そもそも2ステップしかないのに、わざわざこの巨大なホームベースの画像を用意してステップ化する意味があったのかも疑問。どうせなら下の取引ナビのやり取りにステータスを持たせて、「送付先連絡」「支払い」「入金確認」「発送」のどのステップまで進んでいるかを視覚的に分かるようにすべきだと思う。ページの先頭部分が、取引ナビと評価ページに飛ぶための意味しか持っていないのが問題。



今度はその取引ナビの部分。ここの部分のUIが最悪。右下の微妙な位置に広告があるのもなんか腹立つし。こういうのって、一覧が上で入力フォームが下っていうのがセオリーだと思うんだけど、なぜか逆で、メッセージ一覧のタイトルをいちいちクリックしないとメッセージ内容を確認できない。しかもそのメッセージが別ウィンドウでポップアップされるという最悪センス。ここに相手がメッセージを投稿したら、そのことを通知するメールが登録しているメールアドレスに届くんだけど、そのメールにメッセージの内容は書かれておらず、一度リンクをクリックしてこのページに来てから、更にメッセージ一覧のリンクを押してポップアップウィンドウを表示させ、改めてメッセージを書き込むという、恐るべき手間が必要となります。1取引ごとにこのページを何度も訪問する必要があるので、これを何度も繰り返さないといけない。住所氏名などの個人情報をユーザーに何度もWebから入力させていることに疑問を感じる。落札者の個人情報や出品者の振込先口座情報なんてどうせ定型的なやり取りになるのだから、こんな貧弱な掲示板ツールを用意してユーザーにやり取りさせるのではなく、Yahooから毎回自動通知するのが筋だと思う。

Yahoo!JapanのUIセンスの無さはオークションに限った話では無く、まだまだ言いたいことは山ほどあるんだけど、疲れたのでこのへんでやめる。国内でもっとも利用者の多いポータルサイトであり、オークションサイトであるのに、この辺あまり指摘されてきていない気がします。ここ10数年、yahoo.comやebayと比較してまるで進歩していないと思います。広告の置き方が下品だし。

ゆっくりデスクトップ

そういえば、こんなのを作ってました。

http://pktn.sakura.ne.jp/f/YukkuriDesktop.html

AIR+box2dで、ゆっくりが上から降ってくるデスクトップアプリ。みかん星人を彷彿とさせるキモさです。マウスドラッグで動かせて、アクティブな状態でキーが何か押されると終了。インストール後にYukkuriDesktop.exeの拡張子を.scrに変えると、スクリーンセイバーにもできるっぽいっていうか他に使い道がない。溜まってくるとすっげえ処理が重いので、PCの動作もゆっくりになります。

これまで作ったもの

最近ちょっとルイーダの酒場に行くことを考えていて(ダーマ神殿に非ず!)、技術者(キリッ としてこれまでに作ったモノを提示しないといけなかったりするかもしれないのだけれど、振り返ってみてもマジろくなものがなくて萎える。が、ガタガタ言い訳せずそれでも多少はマシっぽいものを集めて記事にしてみました。Flashを直接貼れないはてブ仕様のため、こちらのガジェットを使わせていただいております。感謝です。このページからだと文字がつぶれて見えないやつもあるので、一応題名のところに直リンク張ってます。



FUlash

麻雀の点数計算がいまだに所々怪しいので、携帯で使う用にFlashLiteで作った。携帯の上下左右キーに飜と符の増減を割り当ててたと思うんだけど、PCからだと対応するキーが無いので操作できません…。リアルタイムに下の表示が更新されます。七対子にも対応してたはず。


タングラム

この手のパズルが好きなので作ってみたけど、やはりピースの質感だったり手で動かすのだったりが良いのであって、やっぱこうしちゃうとなんだかなあという感じっす。もしかすると、ソーシャル要素を追加するといいのかも。お題出し合ったりとかして。ピースの形のパターンは定型化されててAmazonでも売られてるから、Amazon経由で現物買ってもらって手元で作ったものをWebから送信させる・・・。あれ、このアイデア面白いかも。


スルタン的ななにか

名前を忘れてしまったんだけど、千夜一夜物語をモチーフにして論理パズルを紹介した本があって、その中の出題の1つが元ネタ。5つのルールがあって、例えば問題1だと、このルールのもとにxを入力すると同じxが返ってくるようなxを考える問題。プログラマっぽいね。


オセロ

ブログパーツとして、サイト訪問者が1人1手指せるオセロがあったら面白いかなと思って作ったけど、当時は技術力が足りずに挫折。このFlashでは、交互に指すしか出来ないです。コメント以外にも、blog上でなにか読み手と書き手のコミュニケーションがあると楽しい気がする。クリックするだけなら敷居も低いし。


MTGのライフカウンター
http://gyazo.com/c9944dc5fe2bc949db69f4cf4d4dbf61.png
Magic: The Gatheringというトレーディングカードゲームがあるのだけど、それの自分用ライフカウンター。使用している画像とかがちょっと大人の事情的な意味でアレかもしれないので、JPGでうp。携帯での使用を想定しているので、数字キーでライフを増減させる感じ。これは実際にかなり重宝したのでandroid版も作ろうとしたんだけど、既に海外の誰かが完成度高いやつ作ってたので断念。左上の表示はライフ増減の履歴です。

昨日のニコ生のベーシック・インカムについての議論を文字起こしした

朝までニコニコ生激論 テーマ​『ベーシック・インカム(キリ​ッ』

たいへん面白かったので、200分ぶっ通しで見ながら所々文字に起こした。かなり要約や補足入ってて全く推敲してないので、不適切だったら指摘ください。→ちょこっとだけ修正しました。(2010/02/22追記)


堀江:今、コンビニや飲食店は中国人・インド人の安い労働力だらけ。彼らに働いてもらいながら、我々がベーシックインカムに移行すればよい。
東:彼らからいわば搾取をして、日本人だけ働かずに暮らせば良いと言っているのか。
堀江:気持ちの持ちようなので、彼らがそれで良いうちはそれで良い。ゆくゆくは、彼らもベーシックインカムを考えるようになるだろう。
東:中国人がベーシックインカムを考えるようになったとして、彼らにとっての中国人はどこにいるのか。
弾:機械だ。今でもやろうと思えば実現できる。
東:ならば、最初から中国人抜きでベーシックインカムをやればいいのではないか。
堀江:これは半分都市伝説かもしれないが、例えばタイでは自動ドアの代わりにドアマンがいる。なぜかといえば、ドアマンより自動ドアのほうがコストが高いから。このように、自動化してしまえば仕事が無くなることが実はたくさんあるのではないか。プログラマとして色々な仕事を自動化していて思うが、無駄な仕事をしている人はかなりいるはず。
城:機械化できない部分として、コンビニ店員などの接客業は残ると思う。
堀江:コンビニ店員はなぜ必要なのか。彼らがあそこにいる意味は何か。野菜の無人販売所のようにすればいい。
城:機械で自動化するのは良いが、結局リソースは必要。資源はどこから持ってくるのかという問題がある。日本で原油が出れば良いが。
弾:資源の問題については、まかない先がすでにある。
堀江:コストの問題だけで、技術の問題である。
弾:アブダビから石油を買った方が安い。
東:堀江さんと弾さんの考えでは、今、全世界で同時にベーシックインカムに移行できるということか。
堀江:そうだ。
東:では、なぜできないのか。
堀江:やろうとしないからだ。やる人が出てこなかったからだ。
鈴木:ニクソン政権でフリードマンがやろうとしたが、世論が反対した。当時のアメリカの保守層は、働くことで競争が生まれて豊かになるという考えだった。
城:日本では、50%の世論の支持は難しいだろう。しっかりした仕事についてローンを組んでいるようなサラリーマンの負担が一番大きくなる。
弾:日本では毎年84兆円が、死んだ人から遺族へ渡っている。少子高齢社会で、これは増えていく。これを配るだけでもベーシックインカムが実現できてしまう。相続税は控除が大きいので、この中から1.5兆円しか取られていない。相続税の金額の算定にもコストがかかる。
堀江:相続税不労所得なので、税率100%で良いと思う。
鈴木:社会相続の考え方は、BIよりも実現可能性が低いと思っている。より実現可能性が低いものを前提として、BIを考えるのは難しいと思う。
堀江:社会相続は、前例が無いので厳しいだろう。
東:日本を代表するブロガーと元経営者の二人がこうして話をしていると、他の人が圧倒されて議論がしづらい。また、ここに存在しない技術を持ち出して、「やろうと思えば出来る」と言われても、反証可能性が無くて議論にならない。別の話をしたい。

〜休憩〜

白田:BIというのは、社会保障などの制度にかかっている膨大なコストを無くすための良い方法だ。社会保障制度では、一人一人の違う人間を様々な方法で評価し、出来もしない計算を非常な大きなコストをかけてやろうとしている。また、学生を見ていると、就職活動にかかるコストが異常だ。雇ってもらうのにあれだけのコストが必要なのはおかしい。企業で働かないと食べていけないと思い込まされ、奴隷のような精神状態になっている。また、憲法で労働が義務づけられているので、無理矢理必要のない労働が作りだされ、働く必要の無い人が働いている。BIを払って経済にお金を流せば、デフレも解消されるのではないか。企業年金も、今、原資が足りなくて企業が頭を悩ませていると思うが、財界がBIを推して企業年金の話をチャラにするという手はアリだと思う。また、古くからの地域の伝統芸能や祭り、文化を支えてきた人たちが、ここ最近、それだけでは生活できなくなり、暴力団などに走るということもあったと思うので、そういったものを回復できる。
濱野:1年に1回全力で祭りをやる人に、それだけに対して給料を払ってあげてもよいのではないか、という話があったが、言い得て妙で、例えばニコニコ動画で長い時間かけて面白いモノを作って投稿するような人というのは、ちょうどそれに当たると思う。僕はサラリーマンだが、日々の楽しみというのは、仕事から帰ってニコニコ動画で一笑いすることなどにあり、「振り込めない詐欺」という言葉があるが、そういうものを作った人に感謝の気持ちでお金を払いたいけどそれが出来ない。
白田:企業化しないとお金を払ってもらえないという現状がある。昔は富豪がそういう人たちをサポートしていたが、いまは富豪がお金を蓄えるだけになっている。
堀江:やっているひとはやっている。宇宙開発など。例えば、ゴルフの好きな金持ちは、プロゴルファーを支えている。
凸1:BIをパチンコに使ったり在日にあげたりすることに文句を言うやつが必ず出てくるが、そういう人たちを許容して、文句を言わないようにしなくてはならない。
東:政府がBIを電子マネーで給付して、使い道をトレースできるようにすればいいのではないかと思う。政府は、BIを国民に与える代わりに、国民からデータを与えてもらう。例えば児童虐待が行われているとき、BIがパチンコに使われているならばそれを確認できる。ライフログはこれから重要になってくる。BIの範囲だけで生活をしていると、何かあったときには政府にプライバシーを介入されるが、そうでない生活をしたい場合には働くというインセンティブが働く。嫌であればBIに手をつけなければよいだけなので、完全に政府から監視される社会になるわけではない。
鈴木:5〜10年スパンでは、給付付き税額控除になるだろう。ある範囲の所得に対して、例えば1000円稼いだら1500円になるように下駄を履かせる制度。これには官僚制の壁と国民世論の壁がある。官僚制の壁を壊すためには、既得権益がある国家1種の官僚に退職金を2〜3億渡し、以後一切の天下りをしないようにしてもらう(ゴールデンパラシュート)。国民世論の壁に対する解決策としては、複数の職業に就くことにインセンティブを与え、複数の利益集団に所属させる。また、国民の他者への想像力と、可能世界への想像力を与える。
城:私は労働の価値を信じているので、中国から国内の仕事を取り戻したい。最低時給を撤廃し、足りない分は国が補助をする。BIだと、例えば月12万円もらえたとして、みんなそれで満足しないはず。昔のソ連と同じようなことになるのではないかと思う。
堀江:ソ連は当時貧しかったからだ。競争は禁じていないので、働きたい人は働けばいい。みんな働いているというが、本当の意味で働いているのかと思っている。
白田:かつては、働かないと富が得られなかったが、今では富を得るために働くという逆転の現象がおきている。

〜休憩〜

堀江:BIの財源は、消費税増税と地方公務員の給料だ。
東:大阪府立大学の小沢教授の試算によると、月5万円の補給は可能。また、ドイツのドラッグチェーンのある経営者による、所得税法人税を消費税に一元化すべきという意見がある。その方がこれからの社会を考える上で合理的とのこと。欧米先進国では既に消費税へ一元化していく流れがある。
堀江:東さんの、電子マネーで政府がライフログを取る話は、かならず抜け道を考えるやつが出てくる。
東:抜け道は、どんな社会でも出てくるので仕方ない。
堀江:抜け道を取り締まるために警察官にお金払うのも、複雑になって嫌だ。もっとシンプルにしたほうがいい。
城:ロボットが出来て自動化されたとして、それで職を失った人は別の仕事を探すだけなのだから、それが人類の歴史から見てもあるべき姿。
堀江:コンビニに機械なんて要らない。むしろ、コンビニが要らない。amazonのように大きな工場から、出荷させればいい。
城:コンビニが要らないというのは極論すぎる。amazonはヘビーユーザーが都心の人ばかりで、都心に住んでいると周りに大きな本屋がたくさんあるから、その分注文が多いだけではないか。
鈴木:コンビニやスーパーの自動化についてはこれまでにも行われたが、いずれも失敗してきている。買い物という経験自体を楽しんでいたり、人とのふれあいを目的にしたりしている人もいる。
白田:BI導入で国力が落ちるというが、国力とはなにか。経済力か、軍事力か。BI導入で経済力が落ちるかもしれないが、それが国力が落ちたことになるのか。BIを導入すると他国から侵略されてしまうのか。
弾:BI導入によって、他者の足を引っ張る必要がなくなるのがよい。ルサンチマンに使う無駄なエネルギーが無くなる。また、他国の人は、日本国籍を取りたいと思うようになる。ビジネスライクに、一定以上の税金を納めれば外国人でも日本国籍が取れるというようにするのはどうか。
白田:BIが導入されたら、我々は日本を守ろうと思うのだろうか。それとも、この国を食いつぶすぞと思うのだろうか。
濱野:Japan as No 1の時代を知ってるおっさんに対しては、日本で制度のイノベーションを行ってもう一度あの時代を取り戻そう、という説得の仕方がある。
凸2:自分でお金の正しい使い道を判断できない人が出てきたり、治安が悪くなる可能性があるのはどうすればいいか。
雨宮:ひったくりなどの社会不安については、BI導入によって、より減る傾向にあるとおもう。
堀江:生活保護だって、もらったお金でパチンコをやる人もいるはず。そこまでくると、そういう人を救う意味はないのではないかとおもう。BIにしても、BIを担保に金を借りるやつがいずれ出てくるだろう。そういうどうしようもない人たちにたいして、現状はどう対応しているのか。
雨宮:支援団体によって対応が違う。救われていないケースが多い。
堀江:そこはあまり話すべき点ではないと思う。BIの実現可能性があると分かってから、議論すればよい。
おたより:BIの議論は不景気が前提となっているが、景気が良くなることを望んでいる国民を否定しているように聞こえる。
弾:景気回復しても、あなたの職が回復されることは保証されない。なぜそうなったかといえば、みんなの目が肥えたから。回復したと思える水準が上がった。
城:ソ連の事例を見ても、BI導入で労働意欲を失う人が大量に出てくるのではないか。
弾:BIが導入されて働かなくなるような人は、そもそも働いてもらう価値がないとおもう。
東:BIとは共産主義的なものだと思っている視聴者もいるかもしれないが、BIは、逆に競争が促進され、格差が広がる制度だ。貧困層の人は、自分の生活が楽になっただけで満足せずに、格差拡大に対してルサンチマンを抱くのではないか。
雨宮:実際に貧困に直面している人は、自分を責める傾向にある人が多く、そういう方向には行かないはず。
弾:女子アナは初音ミクでいい。
鈴木:定額給付金はどれくらいの人が受給したのかという資料を調べたら、横浜市で97.4%というデータがあった。
堀江:定額給付金地域振興券などが、どれくらいコストがかかってどれくらいの効果を生んだかを知りたいが、そのようなことを調べている人はいないのか。
弾:BI導入で、そういう難しいことでも「面白そうだから調べてみよう」という人が出てくるはず。「調べてみた」タグがつく。
東:我々の周りには、そういう利用できるデータがない。新しい病院を作るにしても、国会議員が考えるんじゃなくて、国民から声が上がるべきだが、調べるためのデータが無い。
鈴木:ハンガリーで、インターネット民主党というのを作る動きがある。これは、特定の政策をもたず、とりあえず10議席を取って、完全にインターネット投票で政策決定をすることで直接民主制を実現しようというもの。スウェーデンでは、実際に議席を取っている事例がある。党首は19歳の大学生。
堀江:国でやるのが難しければ、地方首長でやればいい。たとえば、東京都でやればいい。